本当に怖い子供の肥満! 

子供の肥満の現状をあらためて認識しよう!

こどもの肥満の現状

近年、厳密に言うとここ30年ほどの間に子供の肥満傾向は右肩上がりに増え続けている。

文部科学省の調査によるとこの期間で2〜3倍に増加し、9歳〜17歳の男の子の10人に1人は肥満であるとの結果が報告されています。

また国民健康栄養調査でも、子供体格の変化として、「肥満」・「太り気味」の男子は22.6%、女子で25.4%でした。 

ではどのような要因により、子供の肥満が増えたかというと、まず一つは「夜型」の生活リズムです。

日本小児保健協会の調査で「22時以降に就寝する」子供の割合が10年前の調査に比べ、2倍以上に増加しています。

また「夜型」生活による食事の変化も見逃せません。夕食を「19時以降に食べる」小中学生の割合が10年前に比べ5.4%の増加。

そして朝食欠食の割合も7歳〜14歳の子供で6.5%と上昇。

このように「夜型」生活リズムによる食や生活習慣の乱れが、肥満リスクを増大させています。  

小児メタボとは

「メタボリックシンドローム」この言葉を聞いたことをない人はいないくらい、最近は浸透している肥満体を指す用語です。

ただこのいわゆる「メタボ」が大人だけに適用されるものと思われていますが、近年注目されているのが「小児メタボ」と言われる子供の肥満です。

大人同様見た目が太っているだけではなく、子供でも内臓脂肪がたまり、高血圧や糖尿病などの生活習慣病や、動脈硬化まで引き起こす可能性があります。

また近年の研究によると、子供の時の肥満の人の約80%が大人になってからも肥満である事がわかっています。

これは、子供の時から肥満である人は「肥満細胞」そのものが多い傾向があるためと、太りやすい生活習慣をなかなか改善する事が出来ない為です。  

小児メタボ児童は糖尿病予備軍!

子どもの糖尿病には、親から受け継ぐ遺伝的要素と、親の生活習慣や環境が深く関係しています。 

その「小児肥満」が引き起こす様々な疾病の中でも特に厄介なのが、「糖尿病」です。この「糖尿病」もイメージとしてはおじさんの病気と思われがちですが、「1型糖尿病」と呼ばれるインスリンを作る能力が極度に低下またはなくなってしまう型は、大人よりむしろ子供に多く発病します。

発病するとやたら喉が渇き、多飲多尿になり、全身のだるさを感じるようになります。

やがて進行すると食欲が低下し、昏睡におちいり、場合によると死に直結する事もある怖い病気です。

治療方法は定期的なインスリンの注射と食事療法、そして運動療法を計画的行う事となります。  

肥満が及ぼす病気以外のリスク

病気の発生だけではなく、小児肥満のリスクは多くあります。

例えば肥満は運動不足の生活習慣を伴う事が多く、体力の低下は集中力や勉強への意欲低下を招きます。

また体力低下はそのまま運動能力の低下にもつながり、集団での遊びや運動に対して消極的になることで、社会性や人間関係を形成するコミュニケーションのにも障害をきたします。  

小児メタボ診断基準

小児メダボの判断基準は以下になります。

①腹囲小学生75cm/中学生80cm以上、または腹囲÷身長=0.5以上
②脂質中性脂肪120mg/dL以上、またはHDLコレステロール40mg/dL未満
③血圧収縮期125mmHg以上、または拡張期70mmHg未満
④空腹時血糖100mg/dL以上

腹囲の基準①を満たした上で、②~④のうち2つ以上を含む場合、小児メタボと診断されます。 

小児メタボ度チェック簡易診断

我が子の「小児メタボ度」を実際にチェックしましょう。

小児メタボの基準は、対象を6~15歳としていますので、基本的にはこの年代のお子さんをもつ保護者向けです。

子供の生活習慣や体の状態などをチェックして、注意点や改善点をみてみましょう。 

まとめ

技術や文化が発展し便利になった反面、人間本来の動く、行動するといった行為がおろそかになった現代社会。

日の出とともに起きて、日没とともに眠るという長年の生活リズムから、電気の普及により深夜でも昼のように明るく活動的な社会において、生活習慣の変化からくる病気や心身の不調は避けにくいものとなっています。

今回のテーマである「肥満」もその一つです。

特に子どもの場合は自分で決定や改善がすることが難しく、保護者の生活環境や考え方によっていかようにもなる存在です。

ですので「小児肥満」の対策の重要なことは「親子で取り組む」ということです。

ぜひ愛する子どもの未来の為に一緒に学んでいきましょう。