なぜ肥満になるのか?
今回は肥満の原因がどんなところにあるかを、肥満要因それぞれの問題を解剖して考えましょう。
子供の肥満原因の多くは、遺伝や体質によるものです。
遺伝や体質といった基礎的因子に食生活や運動不足、悪い生活習慣が重なり、肥満へとつながります。
簡単に言うと肥満になるメカニズムは「摂取カロリーが消費カロリーを上回っている」からです。
体質的にカロリー消費が少なかったり、遅かったりする子供も原因はそれだけではなく、その消費量を超えるほど食べていたり、運動不足により消費カロリーが少なかったりするのが原因です。
近年の子供の肥満の傾向
近年の子供の肥満について厚生労働省が発表している「平成16年国民健康・栄養調査報告」によると、昭和50年にくらべ平成16年の方が総カロリーが減少していてるのがわかります。
また脂質や糖質といった肥満に関連する物質が占める割合も同様に減少しています。
摂取カロリーのみの問題ではないということは、近年においてより問題意識を持たなくていけ無いのは、消費カロリーの方なのです。携帯ゲーム中心の遊びや塾通いなどで運動が不足したり、生活習慣の変化などで基礎的な代謝が減っていることが原因と考えられます。
都市部では集まって遊べる公園の減少や、地方では車での移動などで自分の足で歩く時間が空くなっています。
そんな生活状況や環境の変化、食事の欧米化など多くの要因が積み重なって起こっているのが、現代の肥満なのです。
食生活
おやつやジュース類が過剰な場合
お菓子には砂糖や油が多く使われているものが多く、小さくても1回のエネルギー量は多くなりがちです。
小腹がすいたときに手軽だからとつい手を出すと、いつの間にかカロリーオーバーに。また砂糖と油は脂肪がつきやすい組み合わせです。
ジュースには糖分が多く、スポーツドリンクにも糖分が含まれています。
水やお茶の代わりにガブガブ飲むのは危険です。
また、牛乳は良質のたんぱく質ですが、飲み過ぎれば太る原因になります。
濃い味付けが好き
単純に味付けの濃いものが好きだったり、野菜をたべるときにもマヨネーズやドレッシングをたっぷりつければ、油分・塩分の取りすぎとなります。
ファーストフードに代表される外食が多くなれば自ずと油分・塩分の過剰摂取となります。
大食いや早食い、ながら食いや寝る前の夜食・朝食抜きなど食生活の乱れ
大食いや早食いなどはどのくらいの量を食べたかわからない食べ方は肥満の元です。
また、寝る2時間前以降や、朝食を抜いた反動でたくさん食べるなどの不規則な食事習慣も肥満につながります。
寝る前に食べるとエネルギーを消費しきれず蓄積されます。
また空腹時に一気に食べると栄養吸収率が高くなり、太りやすくなります。
運動不足
遊び方の変化
昔は学校が終わると公園や河川敷などで集団で遊ぶことが当たり前でしたが、現代では遊ぶより塾などの習い事に行くことが多く、まともに外遊びをする時間がない子が大半です。
また友達と集まっても携帯・テレビゲームをすることが多く、体を動かしてカロリーを消費することが少なくなっています。
学校でも体育時の時間以外は外で遊ばず、肥満傾向の子供は運動系のクラブ活動に所属しない事が多く、カロリー消費に不都合な事が積み重なります。
環境の変化
最近では公園や広場も、ボール遊びが禁止など規制も多く子供たちが自由に遊べる場が少なくなっています。
また塾通いや休日など距離・時間的な問題から車移動が多くなり、カロリー消費に不向きな習慣が多くなっています。
親との関わり方
一概にはいえませんが、現代の子供は親がかまいすぎる傾向があるせいか、家での手伝いを強要・協力することが減少している傾向にあります。
また親が運動が苦手な場合は一緒に外遊びする機会が少なく、「子供に動きなさい、外で遊びなさい」といっても運動を楽しめず、運動自体が苦手になる傾向があります。
どちらも親の関わり方で改善できますので、肥満を子供だけの問題と思わず家族で取り組むことが重要です。
睡眠不足
実は睡眠不足も肥満と密接な関係があります。年齢によって原因が変わってきます。
代表的なものでは下記になります。
乳幼児期
よく言われるのが、お父さんの帰りを待って夜遅くまで子供が起きて待っている状態です。
次の日に朝ゆっくり起きるのなら寝不足にはなりませんが、生活リズムの乱れから発育不良につながります。
授乳期に夜型の生活リズムを作ってしまうと、3度の普通のご飯への移行がうまくできずに、不規則な食生活が身についてしまいます。
学童期
朝寝坊の習慣がついてしまうと、起きてすぐたべれなかったりと朝食を抜くことが多くなります。
その結果食生活のバランスやリズムが崩れてしまいます。
食生活の乱れから欠食、間食が増えると、肥満の原因となります。
睡眠不足が引き起こす様々なこと
睡眠不足は代謝ホルモンのバランスを崩し、偏食傾向になったり、疲れやすくなり運動不足を招き、その結果肥満につながります。
子供の睡眠不足は成長ホルモンの分泌にも影響を及ぼし、身長の伸びが悪くなったり、睡眠と相関関係の高いメラトニンと呼ばれる抗酸化作用や廊下防止、抗がん作用があるホルモンの分泌が阻害されます。
健康的な生活をおくるためには、夜しっかり寝て朝に光を浴びる、生活リズムを毎日続けることが重要です。良い生活習慣こそが、健康な体を作る土台となります。
まとめ
現代の子供の肥満は一概に食べ過ぎとういう事のみが原因ではなくなっています。
簡単にいうと昔に比べて食事面・環境面・生活面すべてにおいて肥満になりやすい条件が揃っている時代とも言えます。
そんな時代だからこそ、子供が肥満にならないために重要な事は、親がこの問題について真剣に考える事です。
真剣に考え、親子で取り組み良い習慣を身につける事で、肥満にならず将来的に病気などのリスクから大事な子供を守る事ができます。
ただ、あまり力をいれすぎず、長い目で見て楽しみながらできれば良いですね。